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2014年10月31日 (金)

桐野夏生「ハピネス」

 桐野夏生という作家は、べったりと張り付いたままの心理を表現するのに長けた作家だと思う。

 特に女性の心理を描かせたら右に出る者はいないくらい。

 三浦綾子という作家もそうした心理模写が上手かったですが、桐野はそこに「悪意」みたいなものを混ぜ合わせることによって、よりリアリティーが増す。

 三浦綾子は敬虔なクリスチャンだったそうですが、桐野の作品にはそうした宗教観は全くない。

 寧ろ、下世話な人間の奥底にある「厭らしさ」をじんわりと表現し、人間の本質を見るようなことが度々ある。

 どの作品も視点は女性の側からのものであって、男と女ではこうも思考が違うのかという発見もあります。

 そこにはどちらの思考も良いところと悪いところがあると割り切っていて、冷静にその思考がどういった結果をもたらすのかを丹念に描いていることが多いです。

 その判断は大方公平であって、男性が読んでも女性が読んでも不快な気分にはならない。

 桐野さんはとても美形なお方に見えるんで、そんな人がこんなこと書いてると思うと女性って複雑だなと感じることもあり。

 男性って大方、女性よりも単純ですから。

 しかし、そこに女の怖さを感じたりもする。

 この「ハピネス」はハッピーエンドで終わる作品なんで、読んでみると面白いと思います。

 時に桐野作品は残酷で救いようのないラストで終わることもある。

 いきなり、そうしたショッキングな作品を読むよりは、「ああ、あるよね、そういうの」という気軽に読める「ハピネス」のほうが万人受けするかも。

 「覆水盆に返らず」としたり顔で言う人はこういう作品を読んで、人間って過ちを犯すものであって、それを許す許さないはその人間の許容度によるものだ、ということを知ったほうが良いかもね。

 ましてその相手が自分よりも社会経験があって、広く深く知識がある相手には尚更。

 相手が信用に値する人物だと思われた時にだけそうした言葉は輝きを持つものであって、大した人物でもない思っている人間から言われても不快なだけ。

 因みにこれは桐野夏生の最新作です。

 昨年発表されたものですけど。

 

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